「痩せたくてウォーキングを始めたのに、1ヶ月たっても体重がほとんど変わらない」「毎日頑張って歩いているのに、どうして結果が出ないの?」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
ウォーキングは誰でも手軽に始められる運動ですが、歩くだけで体重を落とすには、想像している以上に時間がかかります。さらに、歩いたことでお腹が空き、消費した分以上のカロリーを知らないうちに摂ってしまうケースも少なくありません。
この記事では、ウォーキングだけで痩せるのに必要な時間の目安や痩せ始める時期から、痩せないときに確認したいこと、よくある原因と見直し方まで、丁寧に解説していきます!
ウォーキングだけで痩せるには思ったより時間がかかる
はじめに、ウォーキングでどのくらいのカロリーを消費できるのか、体脂肪を落とすにはどれくらい歩く必要があるのかを確認しておきましょう。
- ウォーキングの消費カロリー
- 体脂肪1kgを落とすには毎日30分歩いて約2ヶ月かかる
順番に解説します。
ウォーキングの消費カロリー
ウォーキングの消費カロリーは、運動の強さをあらわす「METs(メッツ)」をもとに計算します。例えば、少し速めに歩く場合は約3.5METsが目安となり、以下の計算式で消費カロリーを求められます。
消費カロリー(kcal)=METs×体重(kg)×運動時間(時間)×1.05
この式をもとに、体重別の消費カロリーをまとめると以下のようになります。
| 体重 | 30分歩いた場合 | 1時間歩いた場合 |
|---|---|---|
| 50kg | 約92kcal | 約184kcal |
| 60kg | 約110kcal | 約221kcal |
| 70kg | 約129kcal | 約257kcal |
体重60kgの方が30分歩いて消費できるのは約110kcalで、コンビニのおにぎり1個(約180kcal)にも届かない量です。
体脂肪1kgを落とすには毎日30分歩いて約2ヶ月かかる
体脂肪1kgを落とすには、約7,200kcalを消費する必要があるといわれていますが、これをウォーキングだけで達成するには、かなりの時間がかかります。
例えば、体重60kgの方がウォーキングだけで体脂肪1kgを落とすために必要な期間(※食事制限なし)は以下のとおりです。
| 1日に歩く時間 | 1日の消費カロリー | 体脂肪1kgまでの目安 |
|---|---|---|
| 30分 (約3,000歩) | 約110kcal | 約65日 |
| 60分 (約6,500歩) | 約221kcal | 約33日 |
| 90分 (約1万歩) | 約331kcal | 約22日 |
このように、毎日30分のウォーキングで体脂肪1kgを落とすには、食事がまったく変わらないことを前提にしても約2ヶ月かかります。
しかも、これは歩いた分のカロリーがまるごと”マイナス”になった場合の計算です。実際には、歩いた日に少し多めに食べたり、甘い飲み物を口にしたりするだけで、この差はすぐに埋まってしまいます。
ウォーキングで痩せ始めるのはいつから?
「歩くだけでは時間がかかる」と分かっても、いつ頃から変化を感じられるのか気になる方も多いと思います。
ここでは、ウォーキングで痩せ始める時期の目安と、変化を早く感じるためのポイントを解説します。
- 体重の変化を感じ始めるのは1〜2ヶ月が目安
- 食事もあわせて見直すと変化を感じやすくなる
順番に見ていきましょう。
体重の変化を感じ始めるのは1〜2ヶ月が目安
先ほどの計算のとおり、毎日30〜60分歩いても、体脂肪が1kg減るまでには1〜2ヶ月かかります。
また、体重は前日の食事や体内の水分量によって、1日に1〜2kgほど上下することがあります。ウォーキングを始めて間もないときに「全然体重が減っていない」と感じやすいのは、こうした日々の体重の増減にまぎれているからかもしれません。
だからこそ、この時期は体重計の数字だけで判断せず、「ズボンのウエストが少しゆるくなった」「階段で息が上がりにくくなった」といった体の変化にも目を向けてみてください。
食事もあわせて見直すと変化を感じやすくなる
ウォーキングで早く結果を出したいなら、歩くことに加えて食事も見直してみましょう。
例えば、体重60kgの方が毎日30分歩き(約110kcal)、さらに食事を1日200kcalほど減らした場合、1日あたり約310kcalのマイナスになります。
この場合、体脂肪1kgを落とすまで、つまり約7,200kcalを消費するまでの目安はおよそ23日となり、ウォーキングだけの場合の3分の1ほどに短縮できます。
1日200kcalは、ご飯を軽く1杯減らす、間食の菓子パンを半分にするといった程度の量です。無理な食事制限をしなくても、ウォーキングと食事をセットで考えるだけで、変化を感じやすくなりますよ。
「ウォーキングで痩せない」と感じたら最初に確認したいこと
ひと口に「痩せない」といっても、ウォーキングを始めてからの期間や体の変化によって、確認すべきポイントは変わってきます。
まずは、自分が次のどれに当てはまるかをチェックしてみましょう。
- 歩き始めて1〜2週間で体重が増えた
- 体重は変わらないけれど見た目は変わってきた
- 1〜2ヶ月たっても体重も見た目も変わらない
順番に見ていきましょう。
歩き始めて1〜2週間で体重が増えた
痩せたくてウォーキングを始めたのにかえって体重が増えてしまうと、「やっぱり意味がないのかも」「ウォーキングしないほうが痩せるかも」と不安になる方も多いでしょう。
運動を始めると、筋肉にエネルギー源(グリコーゲン)と一緒に水分がたまりやすくなるため、直後に体重が増えるのは珍しいことではありません。また、慣れない運動で疲れた筋肉が回復する過程でも、体は水分を抱え込みやすくなります。
「脂肪が増えた」と勘違いせず、少なくとも1ヶ月は続けてから判断するようにしましょう。
体重は変わらないけれど見た目は変わってきた
歩く習慣がつくと、姿勢が整ったり、脚のむくみが減ったりして、体重が同じでも見た目が引き締まって見えることがあります。
体重計の数字は変わらなくても、「ウエストが少しゆるくなった」「顔まわりがすっきりした」と感じるなら、ウォーキングの効果はきちんと出始めています。
このタイプの方は、今のウォーキングを大きく変える必要はありません。体重計の数字だけで「痩せない」と判断してしまうのはもったいないので、ウエストや体脂肪率など体重以外の変化も記録しながら続けていきましょう。
1〜2ヶ月たっても体重も見た目も変わらない
ウォーキングを始めてから1〜2ヶ月を過ぎても、体重も見た目もまったく変わらない場合は、どこかに痩せにくい原因が隠れている可能性があります。
特に、毎日しっかり歩いているのに数ヶ月変化がない場合は、歩き方そのものよりも、ウォーキングで消費した分を食事で取り戻してしまっている可能性が考えられます。
このとき、「もっと歩かなきゃ」とウォーキングの時間や距離を増やす方が多いと思いますが、歩く量を増やす前に、まずはここ1〜2週間の食事を振り返ってみましょう。
ウォーキングで痩せない5つの原因
ウォーキングを続けているのに痩せない場合、次のような原因が考えられます。
- 歩いた分だけ食べてしまっている
- 通勤や買い物の「ながら歩き」になっている
- 筋肉量が減って代謝が落ちている
- 睡眠不足やストレスがたまっている
- 病気や服用中の薬が影響している
ひとつずつ見ていきましょう。
歩いた分だけ食べてしまっている
1つ目は「歩いた分だけ食べてしまっている」です。
先ほどお伝えしたとおり、30分のウォーキングで消費できるのは約110kcalです。これは、加糖の缶コーヒー1本や、菓子パン半分ほどに相当し、帰り道に少し口にするだけで、30分歩いた分がほとんど帳消しになってしまいます。
食べる量を増やしたつもりがなくても、夕食のご飯がいつもより少し多い、帰り道に飲み物を買うといった小さな積み重ねで、消費カロリーをうちけしているかもしれません。まずは以下の行動に心当たりがないかを見直してみましょう。
- 歩いたあとに甘い飲み物やおやつを口にしている
- 「今日は歩いたから」と食べる量が増えることがある
- ウォーキングを始めてから間食が増えた気がする
- 夕食の時間が遅く、量も多くなりがち
なお、運動したあとにお腹が空くのは、体にとってごく自然な反応です。「食べてしまう自分は意志が弱い」と責める必要はないので、自分の食欲がどう動いているのかを知ることから始めてみてください。
通勤や買い物の「ながら歩き」になっている
2つ目は「通勤や買い物の『ながら歩き』になっている」です。
通勤や買い物のついでに歩く「ながら歩き」は、信号で立ち止まったり、荷物を持ってゆっくり歩いたりすることが多く、運動としての強度が足りていないことがあります。
例えば、体重60kgの方が30分歩いた場合、ゆっくり歩き(3.0METs)では約95kcalですが、やや速歩き(4.3METs)なら約135kcalになります。同じ30分でも、歩く速さによって消費カロリーには4割ほどの差が出るのです。
歩かないよりはずっと良いのですが、ダイエットを目的にするなら、少し息が弾むくらいの速さで、ある程度まとまった時間を歩くことを意識してみましょう。
筋肉量が減って代謝が落ちている
3つ目は「筋肉量が減って代謝が落ちている」です。
筋肉は、じっとしているときにもカロリーを消費してくれますが、筋肉量は年齢とともに少しずつ減っていきます。40代・50代になると、若い頃と同じように歩いても痩せにくくなるのはこのためです。
また、早く結果を出そうと極端に食事を制限してしまうと、脂肪だけでなく筋肉まで落ちてしまい、かえって痩せにくい体になってしまうおそれもあります。
ウォーキングで痩せるためには食事を見直すことも大切ですが、量を減らすだけでなく、タンパク質をしっかりとるなど、筋肉を保てる献立を考えるようにしましょう。
睡眠不足やストレスがたまっている
4つ目は「睡眠不足やストレスがたまっている」です。
意外と見落としがちですが、睡眠不足だと食欲を高めるホルモンが増え、満腹を伝えるホルモンが減ることが最新の研究で分かっています。
詳しい研究内容はこちら
アメリカのシカゴ大学が行った研究では、健康な20代の男性12人を対象に、睡眠時間を4時間に制限した2晩と、10時間とった2晩とで、体の変化を比べました。
その結果、4時間睡眠のあとには次のような変化が見られたと報告されています。
| 項目 | はたらき | 4時間睡眠のあとの変化 |
|---|---|---|
| レプチン | 満腹を伝える | 約18%減少 |
| グレリン | 食欲を高める | 約28%増加 |
| 空腹感 | ― | 約24%増加 |
出典:シカゴ大学(Annals of Internal Medicine, 2004年)
さらにこの研究では、睡眠不足のときほど、甘いお菓子や塩味のスナック、パンや麺類といった炭水化物を食べたい気持ちが強くなる傾向も見られました。
少人数を対象にした研究ではありますが、寝不足の日に間食が増えやすい理由を考えるうえで参考になるでしょう。
また、夜遅くまで起きていると、それだけ何かを口にする機会も増えます。残業続きで仕事のストレスがたまったとき、甘いものや脂っこいものが欲しくなるという方も多いのではないでしょうか。
寝不足やストレスが続いている方は、ウォーキングをいくら頑張ってもそれを上回る食欲に打ち消されているかもしれません。歩く時間を確保するために睡眠を削っている場合は、睡眠時間を優先したほうが結果につながる可能性もありますよ。
病気や服用中の薬が影響している
5つ目は「病気や服用中の薬が影響している」です。
頻度は高くありませんが、体の病気や薬の影響で、体重が減りにくくなっている場合もあります。
代表的なのが、甲状腺機能低下症や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)など、甲状腺の働きが低下する病気です。代謝が落ちることで体重が増えやすくなるほか、むくみ・だるさ・寒がり・便秘といった症状があらわれることがあります。
また、ステロイドなど一部の薬には、食欲が増えたり体重が増えたりする副作用が知られているものもあります。
さらに女性の場合は、更年期を迎えてホルモンバランスが変化すると、お腹まわりに脂肪がつきやすくなることもあるようです。
ウォーキングで痩せるためのコツ
ウォーキングを続けても痩せない原因に心当たりがあったら、次のポイントを意識してみましょう。
- 少し息が弾むくらいの速さで20分以上歩く
- 食べたものを2週間記録してみる
- 筋トレを組み合わせる
- 体重だけでなくウエストも測る
順番に解説していきます。
少し息が弾むくらいの速さで20分以上歩く
1つ目は「少し息が弾むくらいの速さで20分以上歩く」です。
ダイエットを目的にウォーキングするなら、「会話はできるけれど、少しきつい」と感じるくらいの速さが目安です。
また、途中で何度も立ち止まるより、1回あたり20分以上を目標に、まとまった時間を歩くようにしましょう。速さを上げるときは、次のポイントを意識すると効果が出やすくなります。
- 背筋を伸ばし、視線は少し先を見る
- 歩幅をいつもより少し広くとる
- 肘を軽く曲げて、腕を後ろに引くように振る
- 慣れてきたら坂道や階段をコースに入れる
通勤中に歩いている方は、ひと駅分だけ早歩きにするなど、いつものルーティンの一部を運動の時間に変えるだけでも変化が表れやすくなりますよ。
食べたものを2週間記録してみる
2つ目は「食べたものを2週間記録してみる」です。
ウォーキングで消費したカロリーを食事で帳消ししていないかを確かめるには、食べたものを2週間ほど記録してみるのがおすすめです。
細かいカロリー計算までする必要はなく、スマホで食事の写真を撮る、メモアプリに書き出すといった方法で十分です。その代わり、飲み物や、つまんだお菓子も忘れずに残しておきましょう。
記録を見返すと、「歩いた日だけ間食が増えている」「思ったよりも夜遅い食事が多い」など、自分では気づいていなかったパターンが見えてくるはずですよ。
筋トレを組み合わせる
3つ目は「筋トレを組み合わせる」です。
先ほど紹介したように、ウォーキングは筋肉そのものを増やす効果がそれほど大きくありません。
そのため、ウォーキングとは別にスクワットなど下半身を中心とした筋トレを週2〜3回取り入れると、筋肉量を保ちつつすっきりした体を目指せます。ジムに通わなくても、自宅で10回×2〜3セットから始めれば十分です。
太ももやお尻は体のなかでも大きな筋肉なので、ここを鍛えると効率よくカロリーを消費しやすくなります!
体重だけでなくウエストも測る
4つ目は「体重だけでなくウエストも測る」です。
体重は前日の食事や水分量によっても上下しやすいので、週に1回、同じ時間・同じ条件でウエストも測っておきましょう。
測るときは、朝起きてトイレを済ませたあと、おへその高さにメジャーを水平に当てるようにすると、毎回の条件をそろえやすくなります。
毎日の数字に一喜一憂するのではなく、1ヶ月単位で体重とウエストがどう変わったかを見ていくと、ウォーキングの成果を正しく判断しやすくなりますよ。
ウォーキングで痩せないときの対処法
ウォーキングの仕方や食事を見直しても、体重がほとんど変わらないという方もいるでしょう。そんなときは、一人で頑張り続けるだけでなく、医師に相談するという方法もあります。
- 食欲は気合いだけではコントロールしにくい
- マンジャロなどの薬を医師に相談する方法もある
- 薬を使う場合もウォーキングは続けたい
ひとつずつ見ていきましょう。
食欲は気合いだけではコントロールしにくい
そもそも食欲は、脳やホルモンが関わる体の仕組みによって動いています。そのため、「食べたい」という気持ちを我慢し続けるのは簡単ではありません。
どうしてもウォーキングした日の食事量や間食の回数が多くなってしまう方は、運動量よりも食欲を抑える方法について考えてみましょう。
医療機関でも、食事・運動の見直しが基本になりますが、体の状態によっては薬を組み合わせることも検討されます。まずは、自分の体重や食欲について医師に相談してみるのもひとつの方法です。
マンジャロなどの薬を医師に相談する方法もある
医師に運動しても痩せないことを相談した場合、一人ひとりに合った方法を提案してもらえます。その例をまとめたものがこちらです。
- 体重が減りにくくなる病気が隠れていないかの検査
- 管理栄養士による食事指導
- 体の状態に合わせた運動のアドバイス
- マンジャロなど必要に応じた薬の処方
この中でも、マンジャロ(一般名:チルゼパチド)などの薬は、食欲そのものに働きかける点が特徴です。マンジャロは週1回、自分で皮下に注射して使う薬で、満腹感を得やすくし、食事の量を抑える働きがあるとされています。
「食べたい気持ちを我慢し続けるのがつらい」と感じている方にとっては、こうした選択肢があると知っておくだけでも、気持ちが少し楽になるかもしれません。
薬を使う場合もウォーキングは続けたい
ダイエット薬で食事の量が減ると、体重と一緒に筋肉まで落ちやすくなります。
筋肉量が減ると、体重は落ちても体が引き締まって見えにくくなるため、ウォーキングや筋トレは続けるようにしましょう。
ウォーキングなどで体を動かす習慣があれば、筋肉を保ちやすくなるだけでなく、薬をやめて食欲が戻ってきたときにも体重を維持しやすくなりますよ。
ウォーキング・歩いても痩せないときによくある質問
ウォーキング・歩いても痩せない原因と対処法【まとめ】
ウォーキングで痩せないときは、「自分には向いていない」「意味がない」とあきらめる前に、以下の点を押さえてみましょう。
- 歩くだけで痩せるのに必要な時間を知る
毎日30分歩いても、体脂肪1kgを落とすには約2ヶ月かかる - 痩せ始める時期の目安を確認する
体重の変化を感じ始めるのは1〜2ヶ月後が目安 - 今の自分の状態をチェックする
一時的な増加なのか、見た目は変わっているのか、まったく変化がないのか - 痩せない原因を探して見直す
まずは歩いた分を食事で取り戻していないかを確認する
特に見落としやすいのが、歩いて消費した分を、知らないうちに食事で取り戻してしまっていることです。まずは2週間、食べたものを記録するところから始めてみましょう。
歩き方や食事、筋トレを見直しても2〜3ヶ月変化がない場合、またはどうしても食欲を抑えられない場合は、一人で抱え込まず、医師に相談してみるのも検討してみてくださいね。
